今は密集している集団農場一同に向っていった。
――同志(タワーリシチ)、集団農場員(コルホーズニキ)! どうすべえ? 医者は酔って托児所さやって来た。
――聞いてくろ! 俺(おら)、どげえな思いしてこの托児所こせえた? 一年かかって、てんでが家から、枕あ、敷布だしあって、やっとこせえたんだ。
ピムキンは、群集にかこまれ見っともない顔をまげて、考え、つづけた。
――俺やくざもんだ。誰も俺のこたあまともにいわね。……だが……俺、枕なしでええ。俺枕なしでおっちぬだ。ちっこいもんにさせるべえ。ちっこいもんはここでよく育って俺のトラクターとソヴェトの守手にならにゃなんねえ。こかあ、ビリンスキー村のどこよりきれえなとこなんだ。俺そう思う。誰がここさ酒くらって来たことがある! 誰が酒くらって托児所さ来たことがある
無言の動揺が群集の間に流れた。誰かが低い真面目な声で呟いた。
――そりゃ全くだ。
――ぷう! 医者! 医者!
ピムキンは、はぐき出してげんこをふりながら、皺の間へ涙こぼした。
――見ろ! 医者が托児所さ酒くらって来っことどこにあっぺえ
イグナート・イグナートウィッチが、わきへよって煙草まいてる医者に近づいてしずかにいった。
――今日はお前さに帰って貰うべ。
カンカン日の照る道ばたに、医者ののって来た二輪馬車がおいてある。ビリンスキー村のもんは、ひろく道をあけて医者とイグナート・イグナートウィッチとを通した。二三人地面へつばした。
みんな、何ということなししばらくそこにだまって立っていた。やがてそろそろ散りはじめた。
ピムキンは托児所の入口の段に腰かけ、ニーナの足許で頭かかえている。ペーチャはうんと永い間黙って歩いて、集団農場の乾草小舎のよこまで来たときニキータにくっついて小さい声でいった。
――ニキータ……いつか夜、ピムキン、トラクターへわるさしに来ていたんでは無えかったんだなあ。
――うん。